23世紀型お笑い系百姓を目指す林さんちのメルマガ。毎週水曜日発行。

「神業!真っすぐな畦塗り」2020年弥生2号

 3月も上旬も過ぎるとあれほどあったお米販売のコロナウィルスの影響がピタリと止んだ。まあデマですよと林さんちでもお知らせしていたけど。またしばらくその揺り戻しでお米販売も静かかも。でも皆さん、林さんちを「かかりつけ農家」と思っていて下さったようで嬉しかったです。そしてどんどん春になって田んぼへ出動しています。

  在庫メーター     空←―――――――満 
宇宙米          ■□□□□□□□□□
超普通じゃないコシヒカリ ■■■□□□□□□□
女王さまミルキークィーン ■■■■■□□□□□
普通じゃないコシヒカリ  ■■■■■■□□□□
普通のコシヒカリ     ■■■□□□□□□□
普通にミルキークィーン  ■■■■■□□□□□
ハナエチゼン       ■■■□□□□□□□
ひとめぼれ        ■■■□□□□□□□

詳しい数字は、メルマガの最後

1.今週の林さんち・・・神業!真っすぐな畦塗り

 暖冬なので春作業も例年より早くスタートしています。春作業の先駆けは、まずは、畦塗りです。今年は、2月21日からスタートしています。畦塗りとは、1年間の米作りで傷んだ田んぼの境目の畦を修繕することです。どういう痛み方をするかというと畦の上を歩くと凸凹してしまったり雨で流されてすり減ったり。一番困るのは、ネズミやモグラが空けた穴、、その穴埋めをしないといけません。田んぼは、水が命。畦に穴があったりすり減って低いと水が溜まりません。ただし昔から畦塗りは、重労働でした。人力で鍬で土をすくって畦に載せてそれを特殊な先が平べったくなった木槌?でペッタンペッタンして行きます。場合によっては、ドロドロにした土を鍬で左官屋さんみたいに塗って行きます。しかし林さんちの小さい田んぼと言っても20m×40mあります。ただ4辺全部塗るわけでなく上流側の畦は、塗らないのが基本です。それでも田んぼ1枚で80m、、それが昔の耕地面積なら20枚以上あります。

 しかし現代の林さんちは、600枚!全てが土畦でないので実質は、400枚ほど?林さんちが専業農家になって田んぼの枚数が増えるととてもじゃないが人力では、塗れない。そこで当時販売されたばかりの畦塗り機を購入。畦を少し耕してその上を畦の形をした板でペッタンペッタンしていくタイプ。しかしこれがまた性能が悪い上に良く壊れました。それでも無いよりマシでした。さらにトラクターの長さ分が塗れないので残った5mを手で塗っていました。これが23歳で就農した時からごく最近までやっていました。でもあまりにも重労働で地獄でした。でもついに社員さんから苦情が出て残った部分は、酷く壊れたり低くなければそのままにすることにしました。年配の社員さんは、隅々までキッチリしたいので納得が行かないのですが果たしてそこまでする必要があるのか?という議論は、今でも続いています。

 ただその残りもちゃんと塗れる高性能な畦塗りが10年ほど前から販売されています。ただし結構な価格がします。畦り機が稼働するのは、1か月かそこら。やはり購入には、二の足を踏んでいます。さらに20年前に林さんちで購入した畔塗り機が性能が良くて綺麗に塗れていてさらに構造がシンプルで壊れない。そして最近購入した新型トラクターとマッチして実に真っすぐに塗れるのです。これでますます新型畦塗り機の購入をためらうことになっています。なんでもそうですが農機具は、最近、高性能ですがとても高価です。買えば買っただけの効果があるのですが経営者としては、見極めが難しいです。しかも動画のようにこんなに真っすぐ綺麗に塗られるとさらに判断に迷っています。

畦塗りしています・GPS無くても真っすぐ・2020
https://youtu.be/35-gGYyCJDk

2、道路交通法改正

 昨年、道路交通法の改正があったがスマホやあおり運転だけでなく「作業機付きトラクターの公道走行について」の改正もありました。実は、今までは、トラクターの後ろに作業機を付けての走行が出来なかったのです。じゃあ外して田んぼまでトラックで運んで装着して作業していたかと言うとそんなこと絶対に無理です。ライスセンターで装着してから道路を走って田んぼに行っていました。だから警察もそんな無理難題は、言わずに目をつむってくれていたと考えます。ところがいざ事故が起きるとそうは、行きません。付けちゃダメなモノを付けて事故を起こすとそれは、揉める元です。実際、いろんな農業法人でそんな事例があって裁判沙汰になります。そこで全国農業法人協会から国への要望の一つとして「作業機付きトラクターの公道走行可能」に改正を要望していました。

作業機付きトラクターの公道走行について・農林水産省のHP
https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/kodosoko.html

 そしていろんな標識を取り付ければ作業機を付けての公道走行が出来るようになりました。しかし農林水産省のHPを見ても分かるけど文字ばかりで肝心な標識について超簡単な説明しかない。じゃあと言うことでネット通販で買おうとしたけどそんなモノ売っていない。メーカーに問い合わせるとまだ白黒の簡単なカタログしか無いし価格も高い。そんなの待っていたら春作業に間に合わない。と言うことで林さんちのスーパーメカニックが自作することになりました。でも難解な法律の解釈であ~だこ~だ。でも2月6日に石川県農業法人協会でJAさんをお呼びしての道路交通法改正の講習会を開いてもらいました。そこにスーパーメカニックも参加して勉強しました。そこで分かったのが作業機の幅が1.7m超えると標識設置と大型特殊免許が必要になる。2.5m以内と超える作業機では、標識が違う。まあ大まかに言えばそんな感じ。そこで会社に戻ってドキドキして作業機の幅を調べたら2.43m、、ギリ2.5m以内でセーフ。と言うのも2.5m超の標識は、一気に面倒になるからです。

道交法改正で作業機付きトラクター公道走行が可能に・その各種標識を自作してみた・2020
https://youtu.be/A0ZBinMJ3NU

 と言う訳でまずは、早くから作業する畦塗り機に設置してみました。まあここに至るまでスーパーメカニックは、いくつか試作して試行錯誤したようです。そしてようやくロータリー用を製作。しかし畦塗り機とロータリー、ドライブハローの予備を含めて7セット必要。そこで標識用のゲージを作って正確かつ早く製作出来るように工夫していました。まあ材料は、ホームセンターで揃うモノで製作。きっとこれからメーカーからちゃんとした製品が販売されると思いますがこれで今春は、とりあえずバッチリです。ちなみにトラクターには、任意保険も掛けてありますが昨年から弁護士特約も付加しました。法律上は、大丈夫でも一体何が起きるか分からないので転ばぬ前の杖です。これは、事故で苦労した農業法人の方からの教えです。そして何よりも交通安全を祈っています。

             令和元年産       新米発売日
宇宙米           1袋/24袋   4%   9月21日
超普通じゃないコシヒカリ 66袋/245袋  27%   9月19日
女王さまミルキークィーン 127袋/251袋  51%   9月18日
普通じゃないコシヒカリ  185袋/323袋  57%   9月12日
普通のコシヒカリ     146袋/494袋  30%   9月 4日
普通にミルキークィーン  52袋/102袋  51%   9月24日
ハナエチゼン       83袋/245袋  34%   8月17日
ひとめぼれ        91袋/280袋  33%   8月22日