林さんちの種籾洗いは「しゃぶしゃぶ」と呼びます・発芽阻害物資を洗い流します
昨日の春の火災防御訓練の後の打ち上げは、盛り上がりました。その分、朝から二日酔いです。でも種籾のお世話は、休めません。エコホープに浸けた後は、1日おきに別の水槽に種籾を揉み洗いして移します。種籾には、発芽阻害物質「アブシジン酸」が付いていているのでそれを洗い流してやると芽の揃いが格段に良くなります。もし発芽阻害物質にも何種類もあるようですがこれが植物の種に無かったら季節外れの時期にひょんなことから芽が出てしまい育ちません。稲でも発芽し易い品種は、稲刈り前に秋雨に当たっただけで芽が出てしまう時があります。発芽玄米ならぬ発芽籾は、精米すると芽の部分が黒く変色してしまい商品価値が無くなってしまいます。でも多くの場合は、発芽阻害物質が機能しているので逆に芽が出て欲しい時に出てくれません。でも本来、自然界では、一度に芽が出るとその時の気候がたまたま悪かったりすると全滅のリスクがあるのでバラバラに芽が出るのが基本です。でも稲の苗の種まきでは、一斉に発芽して揃ってくれないと困ります。以前は、このことが分からずに苦労しました。でも種籾の消毒に化学合成農薬を使用していた時代は、まったく原因が分かりませんでした。ところが化学合成農薬の使用を止めた途端に雑菌から来る種の腐食に悩まされました。そこで頻繁に洗うようになってから出芽がスムーズになって不思議に思い調べたら発芽阻害物質の存在を知ったのです。なんでもそうですが薬を使うと本来の原因が分かりにくくなると感じました。でもこれが分かってから苗の出来が飛躍的良くなりました。それほど大事な種籾洗いを林さんちでは「しゃぶしゃぶ」と呼んで楽しんでやっています。ちなみに林さんちの超普通じゃないコシヒカリ、林さんちの女王さまミルキークィーンは、温湯消毒と言って60度のお湯に浸けます。すると発芽阻害物質が無効化されるし殺菌になる素晴らしい消毒法です。先人達は、そんなことを経験から知っていたんですね。本当に凄いなと思います。
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