無洗米って普通のお米と何が違うの?無洗米ってほんとに洗わなくていいの?
最近、”無洗米”という言葉をよく目にしたり耳にしたりするようになりました。しかし、実際にはその詳細やメリットを知らずに手を出しづらいと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで、無洗米がどのようなものか、その魅力について一緒に学んでいきましょう。
無洗米とは
「無洗米」は、今まで研ぎ洗いしていた肌ヌカをほぼ完全に除去したお米のことです。
引用元:農林水産省の消費者相談ページより
というようにお米を炊く前に、お米を洗うことによって落としていた「肌ヌカ」を前段階で取ったお米です
精米やその後に肌ヌカを取る工程を追加でおこなっています
なので無洗米という品種や専用のお米があるわけではないのです。
普通のお米と無洗米の違いは肌ヌカがあるかないかということですね
無洗米の方式
肌ヌカを取る方法はいくつかあります
- ヌカ式
ヌカ同士をくっつけて肌ヌカを取る方式です - タピオカ式
タピオカ粉で肌ヌカをくっつけて取る方式です - 水洗い式
水洗いし肌ヌカを取りすぐ乾燥させる方式です - 研磨式
ブラシや不織布などでみがいて肌ヌカをとる方式です
この4種類の方式は大きく分けると2種類に分かれます
湿式加工(水洗い式)
湿式加工では、水や蒸気を使用して米の表面を処理します。
この方法では、米を水に浸したり、水蒸気で加熱したりして、表面のでんぷん質を柔らかくしてから、物理的にこれを取り除きます。
湿式加工は、米粒をより優しく扱いながら不純物を効果的に除去することができるため、米粒の品質を保ちやすいです。
しかし、この方法は設備が複雑でコストが高くなる傾向があります。
乾式加工(ヌカ式、タピオカ式、研磨式)
乾式加工では、水を使用せず、物理的な方法(たとえば、摩擦や圧力)で米の表面を処理します。
米粒を特殊な機械でこすり合わせることで、表面のでんぷん質や不純物を除去します。
乾式加工は設備が比較的シンプルでコストが低いため、生産効率が良く、大量生産に適しています。
しかし、米粒に対する物理的なストレスが大きく、米粒の破損が発生しやすい欠点もあります。
比較
水の使用: 湿式は水または水蒸気を使用し、乾式は水を使用しません。
コストと設備: 湿式はより複雑で高コストな設備が必要ですが、乾式は比較的シンプルで低コストです。
米粒への影響: 湿式は米粒を優しく扱い、品質保持に優れていますが、乾式は物理的なストレスによる米粒の破損が生じやすいです。
いずれも食べて害のあるようなもので肌ヌカを落とすわけでは無いので安心して食べることができます
無洗米の基準
こうしてお米の肌ヌカを取りのぞいて無洗米になるのですが
どれぐらい取りのぞけば無洗米かという基準があります
測り方はお米を水に入れたときに水がどれだけ濁るかで測定します
お米の卸団体の全国米穀販売事業協同組合を中心とする米穀公正取引推進協議会では、お米の販売業界の自主基準として40ppm
全国無洗米協会定めた基準では28ppmとあります
この28ppmという基準は
1.食糧庁が今回の無洗米の定義を検討する際に、14年度産の普通精米100種類の1回洗い後の濁度を測定した平均値が、約28ppmであったこと。
ということなどから来ています。
これを見ると基準にもよるけど無洗米は普通精米のお米を1回洗ったぐらいのお米になるようです。
また
普通精米でも、よく精米されたものはそのまま濁度測定しても30ppm台の濁度を示すものがあり
ということもあり最近の精米技術の向上により普通に精米したお米でも販売業界の基準の40ppm以上にきれいに精米できているみたいです。
※ppmはpart per millionの略で100万分の1を意味してます
無洗米の良いところ(メリット)
無洗米の最大の魅力は、名前の通り「洗わなくて良い」点です。これには複数の利点があります。
- 洗う水を節約できる
普通のお米だと洗米で水を入れて研いで、捨ててを繰り返しますがその分の水を節約することができます
日常で炊飯するときはもちろん、アウトドアでお米を炊くときや、災害などの非常時にも洗わなくてよく洗う分お水を用意しなくていいので便利ですね - 排水も少ない
洗米で排水が出ないので環境にもやさしいです - 時間の節約
洗わずにすぐ炊飯ジャーに入れることができるので時間の節約になります - 鮮度が保たれやすい
お米の鮮度は精米後は少しずつ落ちていきます
この鮮度というのはお米の酸化の具合で主に表面の肌ヌカから進みます
なのでその肌ヌカを取り除いてある無洗米は酸化がゆっくりになるので鮮度が長持ちします - 水で流れる栄養素が保たれる
無洗米の方式にもよるのですがお米には水溶性のビタミンやミネラルがあり、今まで洗米で流出していた分の栄養が保たれているので普通の精米より多く栄養があります
無洗米の気をつけたいところ(デメリット)
- 炊飯に入れる水の量が違う
無洗米を炊くときには普通に洗って炊く時と水分量より多めに入れてあげないと、水が少なくパサついたお米になってしまいます。これには2つ理由があります1つ目は洗う時に浸水する分の水がないからです
通常お米を炊くときにはお米を洗う時に実は少しすでに水を吸収しています
特に乾いた状態に一番最初にいれる水は一番吸収するのでミネラルウォーターをお勧めする人もいるみたいですね
無洗米は洗わない分この水が不足するので少し多めに水を入れてあげる必要があります2つ目は肌ヌカがない分かさが少なくなるからです
無洗米は粘着質の肌ヌカを取り除いているので通常のお米と比べるとさらさらとしており、同じ計量カップで測るとカップ当たりの粒の量が多く成ってしまいます
粒の量が多くなる分水も多く必要になるので少し多めに入れてあげる必要があります - 浸水時間
洗う時間分の浸水がないためその分長めに浸水時間を取ってあげる必要があります
無洗米の炊き方
無洗米の注意する点がわかったところで実際にはどうやって炊いたらいいのか説明していきましょう
お米の計量
通常通りお米を計量してもらえばokです
少し便利なものとしてはお米を炊くとき1合、2合とカップで測ると思いますが、先ほど書いた通り通常のお米より少し多めに無洗米はすくえてしまいます
その対策として実は無洗米専用の計量カップというものがあります
少し足したりせず水の量を通常のお米の分量で炊けるのでよく無洗米を使う人は探してみてもいいかもですね
水の計量
無洗米カップ1杯につき大さじ1~2ほど水を多めに入れます
炊飯釜の目盛りより少し多めに入れることを意識すると良いでしょう
すすぎ
無洗米なのでもちろん洗う必要はないのですがお米にただ水を入れただけだと
お米が浮いたり空気が入ってしっかり水が浸水しないことがあるので軽くお米を回してあげることお勧めします
浸水
通常洗う時の浸水分長めにつけた方がよいです
浸水時間は夏季30分、冬季1時間を目安に浸水すると良いでしょう
炊飯モード
炊飯機を使って炊く人は炊飯器が浸水時間も含めて炊いてくれているので
もし、無洗米モードがある場合はそれを使ってもらえれば長めに浸水時間を取ってもらえるのではないかと思います
無洗米モードがない人は少し長めに浸けて炊いたり、炊き時間が予約できれば少し時間をおいてから炊くように設定してみましょう
無洗米の選び方と保管方法
店頭で無洗米を選ぶときは、精米日や消費期限が新鮮なものを選ぶことが重要です。
保管時は湿度や直射日光を避け、冷暗所での保管が推奨されます。
開封後は空気に触れることで品質が落ちやすくなるため、密閉容器に入れるか、専用の保存袋で密封して冷暗所に保管し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
林さんちのでは無洗米相当のクリーン白米の精米をすることができます
玄米で販売しているお米を好きな分づき精米にしたい希望や、精米したてをご希望の方に精米を行っています。
精米歩合は「3分~7分、普通、上白、クリーン白米(無洗米相当)」よりお選びいただけます。
※数字が小さい方がより玄米に近くなります。
精米料金についてはどの歩合でもかわらず以下のようになります。
実際にクリーン白米の精米をしてみたお米を炊いてみた記事がこちら↓
無洗米(相当)のクリーン白米と標準精米を研がずに炊飯してみた
こちらの記事ではクリーン白米と標準精米をそのまま研がずに炊いて
味やにおいがどう違うか比較してみています
意外な結果がでたのでぜひ読んでみてほしいです!
自社精米をご用命のお客様は
林さんちの玄米をご購入いただき、通信欄に自社精米希望の旨と
精米度合の指定をご記入ください。
※自社精米の為、すべて紙袋詰めになります。
同一品種の商品を複数購入の場合でも商品1点ごとに精米料金がかかります。
玄米は精米すると1割ほど量が減ります。
精米度合いが高い時、精米する玄米の量が少ない時、減る量はさらに増えます。
分づき具合についてはおよその値になります。
無洗米についてのFAQ
Q:無洗米は栄養が少ないの?
A:栄養が減っているということはありません
今まで研いで落としていた肌ヌカを取っているだけなので普通に精米したお米から栄養が減っているということはありません。むしろ水溶性のビタミンやミネラルが保たれているので多くなるものもあります。
Q:無洗米は値段が高い?
A:お米値段が上がるけどトータルで見るとお得かも
グラム当たりの粒の量が多く入っていることと、洗米に使う水が節約できるとこによってトータルで考えるとすごく高くなるわけではないです
無洗米を選ぶ際や炊飯する際の参考にしてみてくださいね
金沢工業高等専門学校卒
生まれ育った野々市の田園風景を残していきたい気持ちから
一度関東の会社に就職するが地元に戻って就農した
機械やPCを触ることが好きなので父の紙ベースの台帳管理や作業計画などをデジタル化中
経営はまだまだ覚えることが多そうでしり込みしてます
もっぱら最近は4児の父で子育てと仕事に翻弄されています
趣味は学生のころからやってるギターだけどしばらく触れていないもよう
フットサルも好きだけどこちらもごぶさた