林さんちの普通じゃないコシヒカリ

普通じゃない訳は土作り、肥料にあり!
長年かけて微生物の力で地力をつけ、肥料は有機肥料まいて、除草剤も極力減らし、やさしく育てています。
ちょっと贅沢してワンランク上の美味しいコシヒカリを食べたいときにおすすめ♪

美味しいお米には土作りが大切

当たり前のように思うかもしれませんが、稲が育つには土に植えてそこから栄養を吸収して育つので土作りが大切です。
なので農家さんは何年もかけて牛糞から作るたい肥や、魚かすなどをまいて土作りをします。
林さんちも、もちろんそうやって土づくりをしたかったのですが、重大な問題がありました。

都市部の棚田、市街地での米づくりのさだめ

話は十数年前にさかのぼります。
自称「都市部の棚田」と呼ぶ林さんちの田んぼは、住宅地も近いのでたい肥散布などの土作りをあきらめていました。
2年ほどたい肥散布を試みたこともありました。

でも、市街地の幅の広い道路をクサい、たい肥まみれの機械で横断したり、3方向家に囲まれたような田んぼでまくのはとても迷惑だし、大変でした。

それでも化学肥料一辺倒の米作りからなんとか抜け出したくて知り合いをたどって、お会いした土作りの達人にそれならと薦められたのが「カルス菌」と「有機肥料」の組み合わせです。

微生物の力で土作り、救世主「カルス菌」

カルス菌というのは、土の中でワラや籾殻を分解して、たい肥にしてくれる微生物です。
稲刈りが終わったあと、カルス菌をまいて、たがやしておくと冬の間にカルス菌ががんばってくれて春にはいい土になる、という仕組みです。

のちに分かったのですが、たい肥のクサい匂いは完熟したたい肥でなかったことが原因でした。
なかなか完熟たい肥というのは、作るのに技術や手間が必要で、手にいれるのが難しい。
安全なたい肥を使おうと考えたときに、その材料の糞を出す牛や豚が何を食べているか、薬を与えられているかということを調べるのはとても大変です。

だからこのカルス菌を使った方法は、安全、環境、手間、なにより林さんちの考えとピッタリ合っていたのです。
今では20年以上カルス菌に土作りをしてもらって安定して美味しいお米がとれるようになったと思ってます。
ちなみにランクが上の「超普通じゃないコシヒカリ」もカルス菌を使って土作りしています。

肥料やりの3つのやさしさで美味しく育つ

1つ目のやさしさは「普通じゃないコシヒカリ」は有機肥料を使っていること。

普通の米づくりでは化学肥料を使うことが多いです。
なぜなら、肥料1粒当たりに栄養を多く詰め込めるので栄養たっぷりの肥料だからです。
しかし、ただ栄養を多く上げれば美味しく育つわけではありません。
もし多すぎた場合に根っこがしなびてしまう「肥料焼け」を起こすことがあります。

根っこの周りが栄養で濃くなりすぎると、逆に根っこから水分などが抜き取られてしまうのです。
人間もちょうどいい塩加減のお味噌汁は美味しいし体にいいけど、塩くどくなりすぎると水が欲しくなり、身体に悪くなってきますよね。

そこで、普通じゃないコシヒカリは有機肥料を使っています。
有機肥料は、溶け出しが遅く、効き目が穏やかで、少しずつ吸収されるので稲に優しい肥料です。

2つ目のやさしさは肥料をまくタイミング。

稲のために肥料をまくタイミングはしっかり気をかけています。
稲は花が咲くころに多くの栄養がいるので、(人間でいう成長期ですね(^_^))そのタイミングを見計らって肥料をあげるのですが、化学肥料には春にまいておけばそのころに溶け出してくれる肥料もあります。

ちなみに林さんちの「普通のコシヒカリ」ではこの肥料を使っています。
根っこの周りが栄養で濃くなりすぎると、逆に根っこから水分などが抜き取られてしまうのです。

人間もちょうどいい塩加減のお味噌汁は美味しいし体にいいけど、塩くどくなりすぎると水が欲しくなり、身体に悪くなってきますよね。
そこで、普通じゃないコシヒカリは有機肥料を使っています。
有機肥料は、溶け出しが遅く、効き目が穏やかで、少しずつ吸収されるので稲に優しい肥料です。

しかし、結構ギャンブルであったりもします。
同じ条件で稲が育つことはなく、その年ごと、田んぼごとにも稲の生長ぐあいって違います。
そのちょうどいいタイミングに溶け出してくれればいいですが、ずれてくると稲が栄養を欲しいときに溶けてくれない場合もあります。

そこで、「普通じゃないコシヒカリ」では稲の中の穂がどのくらいになったのかを人の目で見極めて、ちょうどいい時期をねらって有機肥料をまいています。
稲を見守り、やさしく手をかけて、美味しいお米に育てています。

3つ目のやさしさは肥料をあたえすぎない育て方。

これは林さんちのほかのお米でも肥料をあたえすぎないように育てています。
肥料はお米の味に大きく影響します。
肥料をいっぱいあたえると、お米はいっぱい取れます。
お百姓さんとしては、いっぱいお米が取れた方がうれしいです。

なので限界ギリギリまで肥料はまきたいのです、が!肥料をあたえすぎると、今度は味が落ちていく研究結果があって、美味しくないお米になってしまいます。
お客さんの声が直接届く林さんちでは、ごまかしがきかないので美味しいお米をめざして、通常の収穫量の15%減を目指して肥料を散布しています。

農薬も極力使わない

普通じゃないコシヒカリは殺虫剤、殺菌剤を使いません。
水田内の除草剤も極力1~2回で、できるだけ使わないように育てています。

こうやって除草剤を少なくできるのも、種を多くつけて翌年に、生えるような草などは注意深くチェックして生えていれば手で抜き取ります。

そうやって毎年、草を減らしていって少ない除草回数でもしっかりと草を抑えていけるようにしています。

変わった名前の名づけ秘話

林さんちのお米は面白ネーミングが多いですが実はその第1号が「普通じゃないコシヒカリ」です。

改名するまでは、「林さんちの有機米」として販売していました。
理由は単純、有機肥料を使用しているから「有機米」です。
でも平成5年にJAS法改正で、有機肥料をまいているだけでは「有機」を付けることが出来なくなりました。

ところが時を同じくして林さんちの商品パンフレットが今まさに印刷屋さんに入稿される寸前だったのです。
慌ててデザイナーさんに「名前変更するからちょっと待って」と電話したら「締め切りに間に合わない!30秒以内ですぐ考えて!」と言われてしまいました。

切羽詰まって6兆の細胞をフル動員して降って来た言葉が「普通じゃないコシヒカリ」。
カルス菌で土中たい肥化していて、有機肥料を使っているのが、普通ではないので「普通じゃないコシヒカリ」です。
結果、パンフレットの印刷が締め切りに滑り込みセーフで間に合いました。

そして驚くことが起きました。
急きょ考えた「普通じゃないコシヒカリ」の売上が「林さんちの有機米」の時の3倍に伸びてビックリ!

商品名って本当に大事と痛感しました。
それからの林さんちのお米には、全て面白ネーミングが付いています。

「林さんちの宇宙米」
「超普通じゃないコシヒカリ」
「女王さまミルキークィーン」
「一番打者ハナエチゼン」
「貴女とひとめぼれ」
等々。

名は、体を表す、、
どのお米も特徴あるお米です。

その中でも「普通じゃないコシヒカリ」は、カルス菌、有機肥料で優しく育てて美味しく仕上がっていますのでぜひご賞味ください。

「野々市会」で食べられるお米

東京と大阪で開催される野々市市に縁のある方が集まる「野々市会」に「林さんちの普通じゃないコシヒカリ」が贈答品として使われました。
その「野々市会」の皆様からあまりの美味しさから怒涛のリピートがありました。

ここまで褒めて頂くと百姓冥利に尽きます。
でも一番嬉しかったのは、ご注文の際に「昔の野々市の思い出」を話せたことです。
東京や大阪で住みながら今でも心の中の野々市は、数十年前の子供の頃のままなんですね。

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